HEARTS/Double Bside

HEARTS
Double

Singalong

2021,01,13
Peace piece
Bill Evans

ふと心を落ちつけたい時
深く深呼吸をする
そんな時に聴きたくなるのがこの1曲

peace piece(EVERYBODY DIGS BILL EVANSに収録)

直訳すると平和のかけら
Peaceには安らぎという意味もある

この曲を聴くと気持ちが落ち着いて、何故だか穏やかな気持ちになれる
まさに曲のタイトルの如く



まるで深い森林の中にいるような
凪いだ海を眺めているような
月の光を浴びているような
柔らかい風に包まれているような
そんな感覚に陥る


シンプルな2つのコードと美しい旋律
どこかクラッシックの要素を感じる
私自身が大好きなドビュッシーの月の光やショパンの子守唄のように

これも幼い頃から学んだクラッシック音楽が背景にあるからなのかも知れません


ジャズピアノの詩人と言われたエヴァンスが奏でる音色からは言葉にできないメッセージを感じる
プライベートでは度重なる不幸や過度なドラッグ摂取で心も体も蝕まれていく
底知れぬ悲しみや苦しみの中からこんな美しい音がうまれたのだろうか?

そんな疑問を少し解決してくれるのが2015年に公開されたドキュメンタリー映画


BILL EVANS TIME REMENBERD


極端に首を折り曲げる独特の演奏スタイルが特徴的
映画好きな私は公開当時に劇場で観ることができました
自分のような初心者にもわかりやすくお勧めの作品です



余談ですがこのpeace pieceという曲はレナード・バーンスタインのsome other timeという曲にインスパイアされて出来た曲のようで、Everybody Digs Bill Evansにも収録されています

ジャズの名盤と知られるマイルス・ディヴィスと共作したKIND OF BLUEに収録されているFlamenco Sketchesの冒頭でも再アレンジされているので聞き比べてみるのも面白い



どんな時にもいつも音楽がある
このような不安な時だから、またこの曲が心に沁みるのかも知れません
音楽のもつ力を感じる1曲です


Written by  内田由美