HEARTS/Double Bside

HEARTS
Double

Singalong

2016,05,28
Carol King
「You’ve a got a friend」

 

 

もともとUKロックが大好きで、そればかり聴いていた私。
アシスタント時代にサロンで流れていた音楽に影響され、それまで自分では聴かなかった60年代〜80年代の音楽や、色んなジャンルの音楽を聴くようにもなり、そんな時に知ったのが「You’ve a got a friend」です。
当時、誰が歌っていたのかも知らない状態でしたが、独特の声やメロディーに惹かれて聴いていました。 
「you’ve a got a friend」は、1971年にリリースされたキャロル・キングの名曲中の名曲であり、この曲が収録されたアルバム”Tapestry”は、グラミー賞4部門受賞、全世界で2200万部を超えるビッグセールスのアルバムでもあります。

10代後半で最初の夫となるジュリー・ゴフィンとコンビを組んでソングライターとして多くのヒット作品を残したキャロルですが、1968年に離婚。その後、生涯の友となるジェイムス・テイラーの勧めもあり、この”Tapestry”でシンガー・ソングライターとして本腰を入れて活動を始めました。

自分で作詞作曲をし、自ら歌う、今では馴染みの深いシンガー・ソングライターという肩書き。1970年代前半というとアメリカの音楽史においてそのシンガー・ソングライターが大きくクローズアップされ始めた時代でもあります。

それはなぜか。

それまではというと、ひとつの曲に対し作詞する人、作曲する人、歌う人、演奏する人、と分業制で製作することが基本だったからです。

今まで数々の名曲を残しているキャロルですが、このアルバムに収録されている曲は“So Far Away”  “It’s Too Late” “Natural Woman” etc…と、本当に名曲ぞろい!最後に収録されている曲”Natural Woman”はキャロルがアレサ・フランクリンへ提供した曲をセルフカバーしたものですが、アレサバージョンもキャロルバージョンも最高です。


さらに、この”You’ve got a friend”は、ジェイムス・テイラーやダニー・ハサウェイをはじめ沢山のアーティストにカバーされています。キャロル・キングとジェイムス・テイラーのコラボレーションバージョンもあったりします。

アルバムジャケットも印象的。
柔らかな日差しが差し込む窓辺に、猫と一緒に静かに腰掛けるキャロル。
トレードマークであるフワフワにカールしたヘアスタイルと、ニットにラフなデニムパンツといった組み合わせがとてもナチュラルでお洒落です。

 

 

少しですが歌詞の一部を紹介させていただきます。

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「You’ve a got a friend」

When you're down and troubled  And you need some loving care

And nothing, nothing is going right Close your eyes and think of me

And soon I will be there To brighten up even your darkest night 

You just call out my name And you know wherever I am

I'll come running to see you again Winter, spring, summer or fall

All you have to do is call And I'll be there You've got a friend

 

あなたが落ち込んだり 悩んだりしているとき

誰かの助けが必要だったり 何もかもがうまくいかないと感じるときには

ただ目を閉じて 私のことを思い出して

どんなに真っ暗な夜だって、あなたを元気づけるために私ははすぐに駆けつけるから

そうよ ただ名前を呼んで

どこにいたって あなたに会いに飛んでいく

冬でも 春でも 夏でも 秋でもかまわない

呼びさえすれば いつだって会いに行く

あなたには友達がいる

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私はこの曲を春に聞きたくなります。春は少し感傷的な気持ちになるからでしょうか。
詩を書く事で自分の内面がさらけ出てしまいそうで、詩を書く事に消極的だったという彼女の繊細な心が伝わってくる歌詞にグッと胸を打たれました。
こんな風に言葉をかけてもらえたら、、と思えるような大切な友人への心のこもった手紙のような歌詞。
惹かれないはずはないですね。  

余談ですが。
キャロルの初めてのレコーディングは1945年。なんと、当時3歳の頃だそうです。
その後、同じ大学の同級生だったポール・サイモンにデモテープの作り方を教わったり、、(大学の同級生にポール・サイモンがいるのも凄い!)
ビートルズのレノン&マッカートニーがデビュー当時に、自分達はイギリスの”ゴフィン&キング”になりたいと語っていたなど、いつも音楽と共に人生を歩んできたことがわかるエピソードに溢れています。

 

今、こうして書きながら思えば、超名曲の中の名曲である“You’ve a got a friend”。
この曲を聴くといつも大切な人達の顔が思い浮かんできます。
大切な人を思い浮かべながら聴く1曲。
リリースされてから40年以上たった今も色あせる事のない、歌の持つ力の大きさを改めて感じた1曲です。

written by Double  内田由美