Neil Young

Neil Young

『After the gold rush』

1970年にNeil Youngにリリースされたソロアルバム。

アルバム通して名曲ぞろいの素晴らしいアルバムですが、今回はその中でもアルバムタイトルにもなっている 同名シングル「after the gold rush」を紹介します。

ここで曲を紹介する前に、ニールヤングという人物を少し語らなければならないですね。

1945年生まれ  カナダ出身のシンガーソングライター、現在までに40枚以上のアルバムを発表しているロック界の重鎮ともいえる存在で、60年代から現在まで活動している数少ないアーティストのひとり。

アルバムごとに違うテイストの楽曲を創り、ひとつのイメージに固まらず変化をし続けているのも彼の特徴でしょう。

「パッと見た感じだとちょっと汚いオジサン」という印象ですが、見た目を裏切る、か細く、繊細な歌声と、たまに音が外れているギター、いつも同じところで間違えてしまうピアノ。

どれをとっても愛おしい存在です。

言いたい事はたくさんありますが、今回は彼のもつ独特な詩の世界に触れてみたいと思います。

 

『After the gold rush』=ゴールドラッシュのあと。
どんな意味なのかと、、、

曲調からは、ロマンティックな何かを歌っているものだと思っていましたが全く違いました。

この曲の歌詞は1番から3番まであるんですが、1番は過去、2番は現在、3番は(夢で見た)未来、を歌っています。

2番の歌詞に出てくる、「満月を見ていたところに太陽が突然現れる」ってのは、巨大な爆発の事でおそらく核兵器の事でしょうか。

最後の3番の歌詞は、ノアの方舟のような話になっています。

「地球はもう住めなくなっていて、選ばれた者たちが他の星へと移住する」  地球全体の過去、現在、未来の出来事を、いわゆるアメリカのゴールドラッシュと掛けているんですね。

タイトルは直訳すると「ゴールド・ラッシュのあと」という意味ですが、ゴールド・ラッシュというのは人々が富に狂奔するさまの事を指しているのでしょう。富のために自然を破壊し、戦争をはじめて遂には地球に住めなくなる。
そんな人間の愚かさを、25歳の若さでこんなカタチで表現しているなんて!!!

ニール先生、脱帽です、、、。

 

90年代のグランジにも大きな影響を与えた彼にはこんなエピソードもあります。ニルヴァーナのカート・コベインが自殺したときに残した遺書に、「消え行くよりも燃え尽きた方がまし」(It's better to burn out than to fade away)という一節があったのですが、実はこれニールヤングの「マイ、マイ、ヘイ、ヘイ」という曲の一節を引用したものだったようです。これを知ったニールヤングは本当に心を痛めて、

「彼に言ってやりたかった。

 大丈夫だって。

 音楽なんてつくりたい時に作ればいいんだって。ね」

と言ったそうです。

 

本当に素晴らしいアーティスト達からリスペクトされている彼の魅力は、優しさと激しさ、怒りや悲しみも全て抱えて歌い続けているところなのかも知れません。

 

こんなカッコいいオジサンに、、私もなりたい。。。。