
GABRIEL YARED
みなさま“BETTY BLUE”(ベティ・ブルー)という映画をご存知でしょうか?
今回は、この映画を抜きには語ることのできない「C’EST LE VENT,BETTY」という曲をご紹介しようと思います。
映画“BETTY BLUE”に使用されている音楽は、フランスの作曲家GABRIEL YARED(ガブリエル ヤレド)がすべて担当しています。
GABRIEL YARED:彼は日本での知名度こそ低いもの、ヨーロッパのみならず世界中で活躍しており、業界では有名な音楽プロデューザーです。
最近では『イングリッシュ・ペイシェント』、『リプリー』、『コールド マウンテン』などの映画サントラも手掛け、その中でも代表作と呼ばれることが多いのが、このBETTY BLUEのサントラなのです。
BETTY BLUEは1986年に小説家フィリップ・ジャンの同名小説を原作にし、監督ジャン=ジャック・ベネックスによって制作されたフランス映画です。
海辺のバンガローでひっそりと暮らしていたゾルクという男が、ベティという女性と出会います。あるとき、ゾルクの書きためていた小説を読んだベティは、彼をプロの小説家にしようとします。
が、、うまくいかず、、
そこから、あまりにも激しい愛に自傷していく19歳のベティ。
そんな彼女のすべてを愛し、受け入れようとするゾルク。
そんな、本能のままに愛し合う2人の姿を赤裸々に描写した愛の物語。
ラストは、これぞフランス映画というようにハッピーエンドではありませんし、決して後味のいい映画ではありません。(あくまでも私的な感想です)
しかし、なにがこの映画の良さかというと、、なんといってもそこに映し出されている画がとにかく繊細でお洒落なのです。そう、いちいちお洒落。
そして、そこに流れる音楽がいちいちすばらしい。
この映画のワンシーンで、私が最も好きな1シーンがあります。
古びたピアノ屋でゾルクとベティは向かい合ってピアノを弾きます。
ゾルクがシンプルなメロディーを奏でると、そこへベティが当てずっぽうに、単音のけん盤を叩いていく。それはまるで、ゾルクのメロディーに相づちを打つように。
ただそれだけのシーンなのですが、その連弾のピアノのテンポの悪さとメロディーの美しさの妙が、不器用でかつ純粋な2人の関係を表しているように見えるのです。そして、このときに弾かれていた曲が「C’EST LE VENT,BETTY」なのです。
このシーン、DVDで何回見直したかわかりません。。。照
この映画の公開当時、日本ではベティ役のベアトリス・ダルのファッションがが様々な女性誌で取り上げられていたそうです。ざっくりしたニットやレトロなワンピース、柄on柄の着こなしなど今季流行っているものも、この映画の中に存在します。そしてファッションだけではなく、もちろんヘアスタイルも。
ベティは基本ボブスタイルで、その髪型も似合っていてかわいいのですが、カチューシャやターバンでアレンジしたものもまた、いちいちかわいい。劇中ショートヘアにもなりますが、このショートが、今季流行りつつある、「前髪短め+襟足長め」のウルフカット。
これもまた、、かわいい。。。
ゾルクのヘアも、決まりすぎていないラフさがかっこ良く、、うちのスタッフが全員こうだったら、、なんて想像してしまいます笑。
そして、この映画のすばらしさは、ヘアやファッションだけにとどまりません。そこにあるインテリアや建造物、車もお洒落なのです。ゾルクの乗っているレトロな黄色のメルセデスは、女子の私でも乗ってみたいと思いますし、ベッドやソファーにはじまり、特にこの映画では様々な家のキッチンが登場するのですが、インテリアに関してもいちいち女子心をくすぐります。
最後に。
この「C’EST LE VENT,BETTY」という曲のすばらしさを知ってもらうには、やはりBETTY BLUEを見てもらうことが一番だと思います。フランス映画というと、ちょっと退屈だとか話が長いとか笑、とっつきにくいイメージもありますが、BETTY BLUEはストーリだけでなく画的にも音楽的にもすばらしい作品で、字幕版ははもちろんのこと、むしろ、字幕なしで見ても見飽きない映画だと思います。まだこの映画を見たことがない方、音楽はもちろん80’Sファッションやインテリアに興味のある方もぜひぜひこの映画を見てみて下さい。
そこには「いちいちオシャレ」がたくさん詰まっていますから♪