Style Council
The Style Council You're The Best Thing
Pauk Wellar/メインボーカル・ギター、MickTalbot/オルガン・シンセサイザー を中心に1983年に結成されたバンド、Style Council
このバンドと名曲の数々を語るには、まずはフロントマンであるPauk Wellarという人物の軌跡を辿らねばなりません。
Paul Wellarポールウェラー (本名 John William Weller)は、「モッドファーザー/モッズの父」と呼ばれ、多くのミュージシャンに影響を与えた人物です。
「モッズ」
その語源は「Moderns」の略であり、三つボタンのスーツと細身のネクタイ、そしてそのスーツが汚れないようにパーカーをはおり、主にベスパに乗るというファッションはイタリアで生まれ、海を隔てたイギリスの労働者階級で爆発的に流行します。
少年のころのPaul Wellarはというと、ビートルズに夢中で一日中音楽漬け。気の合う仲間とファッションと音楽にのめり込んで行き、60年代を代表するモッズバンドThe Who や、SEX PISTOLSのLIVEにインスパイアされ、遂に1977年にThe Jamを結成します。
The Jamでは、それまでのSEX PISTOLSに代表されるような、国家への体制批判を音楽で表現しつつも、ファッションはというとそれまでの*パンクスとは違い、細身のスーツ、細いタイといったスタイリッシュなモッズルック。
1stシングル In The City がいきなりナショナルチャート入りし、1979年THE JAM のアルバムや映画「さらば青春の光』などの後押しもあり、70年代後半からモッズのリバイバルブームを巻き起こします。
そこから、彼らの勢いは止まる事なく、1980年には10stシングル ゴーイング・アンダーグラウンド が全英1位に輝き、全英ナンバーワンバンドと言われるほど絶大な人気を持つようになりますが、約6年という短い期間でThe Jamは解散します。
Paul Wellarの音楽思考がR&BやMotownに代表されるようなブラックミュージックに傾いていき、バンドとして表現したい音楽ができなくなってしまった事が原因と当時は言われていましたが、後のインタビューでは「30歳になってもパンクの真似ごとを続けているなんて、想像しただけでもオッサン臭くて恥ずかしいだろ。笑」とさらっと言ってます。。。
そして解散直後の1983年、当時25歳の時にMickTalbotと「The Style Council」を結成します。
それまでの細身のスーツというスタイルを、ジーンズとローファーというスタイルに変え、その上からトレンチコートをはおり、音のスタイルもThe Jamの硬派なパンクロックのイメージからポップでジャジーなサウンドというThe Jam時代のファンを見事に裏切る変化をとげ、1984年1stアルバム Cafe Bleu を発表します。
The style councilにおいて、やはりというか何よりも注目したいのは、その広がった音楽性はもとより、Paul Wellarのファッションセンスにあります。
1980年当時、東京では渋カジが流行り、メンズノンノやホットドックプレスが愛読される中、彼のようなファッションは日本でもVANやJUNと言ったブランドに代表されるようなアイビールックとして流行します。
まさに今にリバイバルしているファッションですね。そして彼にとって、何を着るかは音楽同様、やはり大切な事。
「俺は音楽とファッションが絡み合ってた時代に育った。バンドの音楽が好きだったら、彼らの格好や髪型、態度影響を及ぼしたものも好きだった。結局、全てはつながるんだ」
まさしく、この音楽ブログの真髄。。。
が、あまりにもそのストイックさから、ファッションと音楽を探求するあまり、音楽性が多種多様化したせいか支持者や評論家から批判され、セールス的にも落ち込むことになります。そんな中、ハウス色の強いアルバム「モダニズム (Modernism-A New Decade)」を製作するもレコード会社からリリース拒否され、なかば自然消滅のような形でその活動に終止符を打つことになります
The style councilの消滅とともに音楽業界からの引退を考えるたPaul Wellarでしたが、やはり自分には音楽しかないと、小さなクラブハウスから地道な活動をイチから再開します。
どれくらいイチからだったかというと、最近ではほとんどのミュージシャンがデジタル機器を使ってレコーディングをする中、再出発した彼はそれらを使わずに活動する事で、ミュージシャンとしての感覚や自信を取り戻そうと試みたようです。
1992年から1995年までの間にアルバムを3枚制作し、3rdアルバムにてソロ転向後初の1位に輝き、その後、延々とチャート内に居座り続けセールス的にも完全復活を果たします。
周りに左右されず、いかに自分にとって「クール」とは何か?「モッズの精神」をとことん貫く、モッドファーザー。
男なら「自分が良いと思えるものはブレずにとことん貫け」
そうPaul Wellarに教えてもらった、男、中原章義32歳。
今回も堅文で、失礼しました。
それでは!
Double 中原章義