Joni Mitchell
Joni Mitchell 「River」
Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)カナダ出身のシンガーソングライター。
本名はRoberta Joan Anderson(ロバータ・ジョーン・アンダーソン)。ハイトーンで透明感がありながら耳に残る歌声と、独特のチューニング方法で奏でるのギターの弾き語りスタイルが、他のアーティストに与えた影響は大きく、まさに70年代を代表する女性ミュージシャンの一人です。
デビュー翌年の1969年から2007年にかけてグラミー賞を9回受賞。
1997年にロックの殿堂入りを果たすなど、ロック界においても多大な功績を残しています。
そして特筆すべきは、ジョニはミュージシャンでありながら、画家でもあります。
ほとんどのアルバムのジャケットはジョニ自らデザインしており、個展などでも多彩な芸術家としてその才能を発揮していますが、ジョニが作成したアルバムジャケットはグラミー賞のベストアルバムパッケージ部門を受賞したほど。
さらに日本へも1980年代後半来日しており、渋谷パルコギャラリーで個展を開いた事もあるそうです。当時の私は幼稚園児。こんな近くで!と思うと、是非行ってみたかったものです。
多才な芸術肌のジョニですが、生い立ちは少々波瀾に満ちていたようです。
生まれはカナダのアルバータ州フォート・マクラウド(1943年)。9歳の時に小児麻痺にかかり医者に2度と歩けないと宣告されます。
が。見事に回復。
その後、ダンスや絵画での才能を活かし、芸術家として生きる事を望んだジョニは美術学校へ進学します。しかしその後、1960年代前半に起こったフォークブームのスター達に強く憧れを抱き、悩んだ末美術学校を中退。
フォークミュージシャンになる道を決意したそうです。
そこで今回は、そんなジョニの名盤としても評価の高い1971年発売のアルバムBuleに収録されている、「River」という曲をご紹介したいと思います。
この曲はピアノの弾き語りのとても綺麗な曲ですが、クリスマスシーズンの、別れの曲です。この頃のジョニの恋愛における心情を赤裸々に歌詞に表現しています。初めてこの曲を聴いた時は、イントロ~歌い出しの部分で早くも心を掴まれてしまいました。
自由に紡がれるメロディー、そこに自然に溶け込む透明感のある美しい歌声は、儚い印象もありますが、さらっと聴き流す事の出来ない彼女の強い意志も感じます。
そして40年以上前の曲なのに、昔の曲という感じは全くなく、今聴いても新鮮な気持ちで聴けます。
そしてそれは、当時のジョニのファッションやヘアスタイルも同じ。
70年代ファッションがじわじわ流行り始めていますが、ワイドパンツやウエストマークは今まさに可愛い!と感じるアイテムばかり。ヘアスタイルも無造作なロングヘアにパッツンの前髪や、力の抜けたゆるいウエーブも今の気分にぴったり重なります。
ファッション誌GINZA2015年4月号では、70年代の映画やファッションの特集が組まれていましたが、そこに〝ジョニミッチェルのように〟というタイトルで、ジョニをイメージしたファッションシューティングが掲載されています。ジョニの音楽や絵画、そしてファッションやヘアスタイルと、どれをとってもその魅力は今も色褪せていません。
そして多くの人の心を惹きつける彼女は、当時多くのミュージシャンの恋心も掴んでいたようです。
2007年にはハービーハンコックが『リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』というジョニに捧げるアルバムを発表しており、ジョニ本人もゲスト・ボーカリストとして参加。このアルバムはグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞しましています。
その魅力で数々の名のあるアーティストを虜にしてきた恋多き女性というのも有名な話で、彼らはその時々でジョニの音楽活動に積極的に参加したり、支えていたようです。
(ハービーハンコックとジョニが恋愛関係にあったかどうかはわかりませんが、、)
Herbie Hancock - River (the joni letter)
Travis - River (Joni Mitchell cover)
最後に。
そしてココ・シャネルや、以前ブログでも紹介したシャーデー・アデュなどもそうですが、時代を越えて名前の残る芸術家、女性アーティストの多くは恋多き女性なのではないかと私は思います。いい音楽、いい作品、いいヘアスタイルを創るには〝自分が魅力的であること〟が必須。
そう痛感し、私も自分磨きにせっせと励みたいと思います。笑
このブログを書くと、色んな意味で勉強になりますね。がんばります!
追記
2015年3月31日にロサンゼルスの自宅で意識不明の状態で発見されたジョニ71歳。その後、意識は取り戻したみたいですが、いち早い回復を祈るばかりです。