
Red Hot Chili Peppers
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)
通称レッチリ
ファンク、ヒップホップ、パンク、ハードロックを融合させるミクスチャーロックバンドであり、今では、アメリカを代表する世界で最も成功したロックバンドとして、ロックの殿堂入りもはたしています。
彼らは全裸でアビイ・ロードを横断したり、ライブではやけに服を脱ぎ、タトゥーとマッスルを誇示するパワフルなバンドで、そのエネルギッシュかつ、破天荒っぷりは見ているオーディエンスを必ず熱狂させるほど。
特に第一回目のフジロックのトリは圧巻でした。
今でこそ、新潟の苗場で開催されているフジロックですが、第1回目のみ、富士山のふもとで開催され、フェス当日の天候は記録的な大荒れ。
気温はかなり下がり、強い雨風に足下はぬかるみ、とてもフェスどころではない状態。
それでも。
レッチリはやっぱり裸!
どう考えても寒い…でも裸でシャウト!
しかし、そのパフォーマンスとは裏腹に1983年にバンドを結成してから、「7人のギタリスト、3度の崩壊、1人の死」とバンド結成からトラブルが絶えません。過去、メンバーが10人変わったレッチリですが、中でも成功を収めたのは、アンソニー・キーディス、フリー、ジョン・フルシアンテ、チャド・スミスといった、この4人の時代。しかし、このメンバーで活動したのも全活動期間の32年中、3分の1しかありませんでした。(2011からはメンバーはジョンに変わってジョシュ・クリングホッファー)
今回紹介する曲は、そんなレッチリ全盛期メンバーの最高傑作と呼ばれる1999年にリリースした「カリフォルニケイション Californication」です。
Californicationとは造語で、Californiaとfornicate(姦淫する)という、少し宗教じみた言葉を合わせたものだそう。歌詞の内容は、彼らの拠点としていたカリフォルニアを中心としたアメリカ文化の敗北のことを唄っており
The sun may rise in the East at least it settles in the final location
太陽は東から昇るが、終着駅は決まっている
Everybody's been there and I don’t mean on vacation
誰もがそこに行くが、そこはバケイションじゃない
といったマイナス要素的なもの。
バンドは解散寸前、もうボロボロの状態で敗北を認め、自分たちのルーツを見つめなおす。それでもレッチリというバンドとして 歩み直すこと。
簡単に言ってしまえば「ただ自分達を見つめ、負け犬と歌う作品」
それまで、表面的なパワフルさを売りにしてきたレッチリにとって、この作品を世に出すことは、とてつもなく大きな決断だったに違いありません。
そんなウソ偽りのない心をあるがままにメロディーに乗せたこの曲は、結果的に爆発的なセールスを記録しました。
ここで1つ気になったのが
Cobain can you hear the spheres Singing song off station to station
コバーン聞こえるか…そこら中の局という局で流れる歌を…
レッチリのメンバー,アンソニーとフリーはニルヴァーナのカートコバーンとも仲がよく、度々ニルヴァーナのライブに特別ゲストとして招待されていたそう。フリーはニルヴァーナ随一の名曲「Smalls Like Teen Spirits」のギターソロ中にトランペットでソロを任せられるほど深い交友関係にありました。(演奏は決して褒められたものではありませんが・・)
今回は、もうひとつレッチリにまつわる余談を。
以前にもこのブログ内で紹介したベン・E・キングが先月のの4月30日に死去しました。
彼と言えばスタンドバイミー。
そして、映画スタンドバイミーと言えば、名優リバーフェニックス。
映画の大ヒットから、彼は一躍映画スターに。
そしてリバーフェニックスの幼き頃からの大親友がフリーでした。
(後の大ヒットドラマ ”24”ジャックバウアーことキーファー・サザーランド、若い・・ですね)
しかし、そんな若い名優は23歳の若さでこの世を去ります。
その日はハロウィン。
ジョニーデップが経営するライブハウスで心不全で倒れ、最後に看取ったのもフリーだったそうです。
様々な出会いや別れ、商業的な成功の狭間に起きる自己とのギャップ、パワフルなロックサウンドから一転、初期よりもメロディアスな楽曲が増えてきたレッチリ。
弱さを全面に出した心の強さが、今も名曲として残っているんでしょうね。
湘南の海でサザンオールスターズを聞くように、いつかカリフォルニアの地平線に向かって、カリフォルニケイションを聞きながらドライブするのが人生の目標のひとつ。
そんな中原でした。笑
Double 中原章義