Herbie Hancock
「 JAZZ 」
その言葉が持つイメージがすでに敷居を高くかんじさせてしまうジャズも、こんなところからトライすると聴きやすいのでは?という1曲を、今回は紹介したいと思います。
ハービー・ハンコックの 「 BRING DOWN THE BIRDS 」
ビートルズが世界中に旋風を巻き起こし、アメリカではヒッピー文化やサイケデリック文化が一大ムーブメントを起こしていた1960年代中盤。
イギリスではモッズ・ルックできめた若者たちや、ミニスカートのTwiggyが登場。
スウィンギング・ロンドンと呼ばれたムーブメントが起こり、興奮と熱狂の中で伝統的な階級は崩れ、様々な分野で新しい才能が芽生えたロンドンは、若者文化の発信地となっていました。
そんなスウィンギング・ロンドン真っただ中の 1967年に制作された
ミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画 「 BLOW-UP 」
この映画で音楽を担当したのが、ジャズピアニストの第1人者であるハービー・ハンコックでした。
この映画のサウンドトラックは、ジャズでありながらも、ロックやブルースの要素を取り取り入れたものが多く、彼の引出しの多さに驚かされる作品でもありますが、その中でもとりわけ 「BRING DOWN THE BIRDS 」は、ベースラインがクールなオルガン・ジャズナンバーで、当時のロンドンの空気を含んだカッコいい作品です。
1970年代には、南米チリのラテン・レア・グルーブのグループ EL COMBO XINGU がカバーしており、自然と体が動いてしまうようなジャズ・ファンクなアレンジに。
更に1990年には、アメリカのハウス・ミュージック・グループ DEEE-LITE がサンプリングし、全米4位の大ヒットを成し遂げたことを機に世界中に広く知れ渡ることにもなります。
1960年にキャリアをスタートさせ、ニューヨークにあるジャズの聖域 「 Blue Note 」の中心アーティストとして活動し、フュージョンやジャズ・ファンク、ジャズ・ヒップホップなど、新しいジャズスタイルを世に送り出し、未だにジャズシーンの最先端を走り続けているハービー・ハンコック、74歳。
このアルバムでは、一緒にセッションしているメンバーも一流のジャズメンが名を連ねていますので、そういったところから、また違ったJAZZを探してみても楽しいかもしれませんね。