2016,08,06
RHYE
「OPEN」
少しセンチメンタルな夜にオススメしたい一曲。
今回は、RHYEの「Open」をご紹介したいと思います。
この歌声を初めて聴いたとき。
その官能的なシルキーボイスからRHYEのボーカルは女性だと思い込んでしまいましたが、実は男性なんです。
RHYE(ライ)はデンマーク出身のロビンと、カナダ出身のミロシュからなる男性2人組のユニット。音楽業界でアーティストやプロデューサーとしてキャリアのある2人は、以前よりお互いのファンでした。
RHYE結成のきっかけとなったのは、2010年。
ロビンが自身のデュオである「クアドロン」の曲のリミックスをミロシュに依頼した事に始まります。2人はすぐに意気投合。RHYEとして2012年から共同で曲作りを開始し、2013年にかけて「Open」「The Fall」を発表。それが音楽関係者達の間で話題になり、「Woman」というタイトルでアルバムデビューします。
今回ご紹介している「Open」は、RHYEのデビュー作であり、エレクトロの要素がさり気なく入ったR&Bです。気だるいハスキーボイスで愛について歌っているこの曲は、初めてタッグを組んで作ったとは思えないほど完成度の高い楽曲。
これは、2人がプロとして十分なキャリアを積んでいたからこそ成せた技だと思います。
アルバムジャケットも中の写真も美しく官能的な写真で統一されており、そのアートワークからも見てとれるように、アルバム「Woman」は全て愛にまつわるもの。
「Open」も単純な恋愛感情を表現した曲というよりは、もっと深い恋愛における深層心理を描いた曲です。
彼らは人前に露出することをあまりしません。オフィシャルのホームページも、ミュージックビデオも顔がでていません。それによって曲に神秘的な印象を強く与えていますが、もう一つそれには理由があります。
「曲を聴く前に、僕やロビンのイメージによって先入観が与えるような事があってはならない」とボーカルのミロシュは語っています。
曲を聴いて「好きなら好き、嫌いなら嫌い」と、純粋に音楽を聴いてほしいしそれぞれに自由に音楽を楽しんでほしいという事なのだそうです。
音楽とヘアスタイルやファッションは直結していてるという事をこのコンテンツでは散々語ってきましたが、アーティストが完全に黒子となり、曲を主役にするというRHYEならではのコンセプトはそれはそれで素晴らしく感じます。
そんな匿名性を保つRHYEですが、ライブもしっかり行なっています。
そして匿名性を保つというコンセプトをライブでもしっかり守っており、アメリカやヨーロッパで行われたライブでは、ステージ上のメンバーに一切照明は当てられず、薄暗いステージでの演奏だったそうです。
そしてそれは日本でも。
2013年のフジロックに出演しており、バイオリンやチェロを入れた生バンド編成で、ミロシュはパーカッションのアグレッシブなプレイを披露。そのアレンジも最高だったそうです。
Photos: @Rhyemusic, Laser at @TheDanforthMH. #Toronto #Rhye @EmbracePresents https://t.co/zc1DlTGVOh pic.twitter.com/zd0T2SkqdB
— Aesthetic Magazine (@Aesthetic_Mag) 2015年12月9日
RHYEの出したアルバムはまだ「Woman」の一枚のみです。
そろそろ2枚目のアルバムが出るのでは?という噂がファンの間で流れているので、そのアルバムの発売とともに、また来日してくれるのではないかと、楽しみでなりません。
この曲を初めて聞いたのは、とある営業日のことでした。あまりにも綺麗な曲だったので、すぐにオーディオのもとへ向かいアーティスト名と曲名をメモしたのを覚えています。HEARTS/Doubleでは、その日の天気やお客様の雰囲気によってサロンのBGMを毎日、毎時、変えるようにしています。多くの人にとってBGMって「なんだか流れてるな」くらいにしか思われないものですが、それはそれで流れていないと、空間はすごく殺風景なものに様変わりしていきます。
空間を形成してしまうBGMだからこそ、お客様もそこに居やすく、スタッフも働きやすい、そして私たちにとってやはりBGMはスタッフとお客様をつなげていくものに他ならないのです。