2017,01,07
Hi- STANDARD
「In The Brightly Moonlight」
新年あけましておめでとうございます。
今年も引き続き、熱量が高く、そしてなんといっても楽しいモノ・コトを発信していきたいと思います。よろしくお願いします。
さて新年一発目の「Singalong」は Hi-STANDARDの「In The Brightly Moonlight」です。
Hi-STANDARDは、難波章浩(V/Ba)横山健(G/vo)恒岡章(Dr)からなるスリーピースのパンクバンド。1991年に結成され、結成直後から都内を中心に精力的にLIVE活動を行います。
1994年ミニアルバム「LAST OF SUNNY DAY」をリリース。
1995年「GROWING UP」
1997年「ANGRY FIST」
「GROWING UP」「ANGRY FIST」この2つのアルバムはメジャーレーベルから発表されますが、実際製作してたのは「PIZZA OF DEATH」いうレーベルです。
このときからすでにアンチメジャーを掲げて活動していたので「アンチメジャーというスタンスで活動してたのにどうして?」という声が最初はあがったようですが、この2作品はそれをかき消すくらいの仕上がりでした。
とくに「GROWING UP」に関して言うと、メロコア界の大御所でもある「NOFX」のファット・マイクがプロデュースをしており、そのせいもあってファットが運営しているレーベル「Fat Wreck Chords」(ファットレコード)からも発表しています。なので、「GROWING UP」は国内盤と海外盤の2つがあるのです。
これがきっかけで国外でも知名度があがり、海外でも精力的に活動してさらにファンを増やしていきました。
その勢いはとどまることを知らず、1997年にはHi-STANDARDを中心に企画されたロックフェス「AIR JAM」を開催。
そして1999年、ついに自主レーベルであった「PIZZA OF DEATH」がメジャーから独立し、その第一弾として1999年「MAKING THE ROAD」を発表。
これがインディーズとしては異例のミリオンヒットを達成。
この勢いのまま、どこまでも走り続けるのかと思われた矢先、Hi-STANDARDは、2000年の「AIR JAM」を最後に活動休止に入ることを発表するのです。
今回紹介するこの「In The Brightly Moonlight」という曲は、1994年9月にEP盤の4曲入りで発売されました。
*たしかこのEP盤は渋谷のディスクユニオンで買ったように記憶しています。現在、またアナログブームが来てますが、この頃の渋谷、新宿といえばレコード屋の聖地。中でも、渋谷ディスクユニオンやゼスト、新譜だとHMV、新宿だとビニールやナットレコードによく通いつめていたものです。
Hi-STANDARDの曲は全曲を通して、曲の始まりからとにかくエネルギッシュでアドレナリン全開!その勢いを最後まで衰えさせずに全力で突っ走る!そんな曲ばかりなのです。
「In The Brightly Moonlight」に関しては、オープニングがゆっくりと始まるのですが、前奏が終わった途端、アップテンポに切り替わります。
この雰囲気が、イギリスのパンクバンドSNUFFによく似ており、SNUFFといえばハードコアパンクの疾走感と熱唱感、そしてイギリス人らしい甘いメロディーを織り交ぜたバンドなんですが、Hi-STANDARDは、かなりSNUFFに影響を受けたのではないかと勝手に思ってます。
ちなみにこちらがSNUFF。
ロンドンナイトではお約束である、あのSpecialsのカバー「Do Nothing」。これがかなり「Hi-STANDARD」っぽい、というか「Hi-STANDARD」が「SNUFF」っぽい。
「In The Brightly Moonlight」を今また聴いて思うのは、インディーズの頃にして、その音楽性をほとんど完成させていたという事。(勝手にすいません。)
恒岡さんのドラムは自在でしなやか。
健さんのゴリゴリとした音を通り過ぎたビーチっぽいというかサーフっぽいようなギターは、ソロだけは優しく、難波さんと健さんのボーカルから生まれるハーモニーはちょっぴり切なく、英語はうまいとはいえないけど気にならないし、むしろ聞きやすく、そして分厚い。
スカスカな感じが気にならない完璧な音はスリーピースとは思えず、本当に完成度が高いと思います。
2017年現在で3人の平均年齢は46歳。結成当時から大事にしているところも未だに変わらず、もちろんヘアスタイルも前よりアグレッシブで守りには入っていない。
言ってる事も、やってる事もとても純粋。人とのつながりをとても大事にしている、そして家族をとても大事にしている。
決して生き方が器用ではない人達なのかもしれないけれど(偉そうな事を言ってすいません)数え切れないほどの人達に元気や勇気、やる気を与えてくれる、そんな日本人のスリーピースバンドHi-STANDARDは、日本が誇れるバンドのひとつであることは間違いないと思います。
80年代から90年代に世に出た多くのパンクバンドは、地道なLIVE活動を経て大手のレコード会社にスカウトされ、大衆的な商業戦略によりテレビに出て人気を得るも、人気も無くなり商業価値も下がるとスパッと契約を切られ、最後には解散していく・・・
そういうバンドを当時LIVEHOUSEで働いていた横山健は、たくさん見てきたそうです。
そういう経緯もあってか、Hi-STANDARDはしっかりとLIVEHOUSEで活動して、CDや物販を自ら作り、そして買ってもらうという自主活動を地道にやっていき、支持者やファンをつけていきました。
2000年の活動休止後、3人は個々で活動をしていたのですが、2011年4月に突然、メンバ−3人が「9・18 ハイ・スタンダードAIR JAM。届け!!!」とツイート。
翌5月には、まるで空白の11年を埋めるかのように、2011年9月18日に横浜スタジアムにおいて東日本大震災の復興支援を目的とした「AIR JAM2011」の開催を発表したのです。
9.18 ハイスタンダード AIR JAM。届け!!! http://twitpic.com/4plnsx
— 難波 章浩 (@AKIHIRONAMBA) 2011年4月26日
翌年の2012年9月には宮城・国営みちのく杜の湖畔公園で「AIR JAM 2012」を2日間にわたり開催。そして昨年の12月23日、福岡ヤフオクドームにて「AIR JAM 2016」を開催しました。
1991年から活動を始めて25年、いまだ人気衰えずの最高なバンドHi-STANDARD。
昨年には、16年ぶりのNEW SINGLE「ANOTHER STARTING LINE」が発表され、またパンクロックが勢いを取り戻しているこの頃。
今年の2月4日にはHi-STANDARD や NOFX LAGWAGON が所属している「Fat Wreck Chords」の25年にわたる歴史を追ったドキュメンタリー映画「A FAT WRECK」(ア・ファット・レック)も公開されます。
個人的にかなり楽しみにしてます。
ハイスタやNOFXら所属、パンクレーベル「FAT WRECK CHORDS」がドキュメンタリー映画化
昔大好きだった音楽が、またこうして盛り上がっているのを見ると、とても嬉しく、胸が高鳴るのはきっと僕だけではないはずです。
written by Double / 西村光太郎