2025,01,07
Earl Klugh
Dance With Me
“フュージョン”
Earl Klugh / Wishful Thinking(1984)
どこかで聴いた事があるような、懐かしいような…
調べてみると、天気予報・テレビのテーマ曲・交通情報のBGM・スーパーマーケットetc
様々な人の耳に触れる場所で使用されている事が多く、理由としては全ての世代が不快に思わない音楽としてセレクトされているからなのだとか。
確かに…
この音楽を聴いて嫌な気持ちになる人っているのだろうか。
ジャズ・フュージョンと言われる音楽を改めて聴いてみる。
ストレスなく聴く事ができるし、音楽に聴き入りすぎてしまう事もない。ボーカル無しのインスト曲も多いので、リラックスしたい時、集中したい時などにもってこいなのではないかと思う。
Grover Washington,JR / WINELIGHT(1980)
フュージョンの歴史は1960年代後半から始まります。
当時、マイルス・デイヴィスらはジャズの停滞状況を乗り越えるべく、ジャズにラテン音楽やロックを融合し、ジャンルの垣根を越えた”クロスオーバー”という音楽を生み出していきました。
このクロスオーバーがのちに、より”複数の要素が混ざり合った音楽”として、70年代初頭にフュージョンと言い換えられるようになったそうです。
George Benson / Breezin'(1976)
”クロスオーバーをより聴きやすく、商業化したのがフュージョン”
同時代の”ディスコ”や”産業ロック”と同じように商業主義的だとして批判されることもあったそうです。
今回ご紹介するのは、Earl Klughの名曲、
“Dance With Me”(1977年)
もともとはオーリアンズというバンドのカバー曲で、
当時は天気情報番組のバックでさかんにオンエアされていたそうです。
心地よく晴れた日を連想させるようなギターの音色は、天気予報のBGMにぴったりです。
当時のフュージョン・ミュージシャンはエレキギターをメインで使用していたそうですが、アコースティックギター1本でプレイしていたのはアール・クルーしかいなかったそうです。その柔らかな感触と優しいメロディアスなラインが、耳あたりのいい音楽として多くの日本人に歓迎されたのだそう。
70年代当時はすごく流行していたようで、そんなお話をリアルタイムで経験していたお客様から聞く事ができるのが美容師の楽しいところ。
最近では日本の70年代ジャズ・フュージョンが海外でじわじわと注目を集めていたり、ヴェイパーウェイブなるジャンル(スーパーのBGM、つけっぱなしにしたTVやラジオでかかっているような音楽)も流行っていたらしく…(今回初めて知りました)
当時聴いていた方々には懐かしく、経験していない自分にとっては懐かしくも新しい音楽。
こうして流行は形を変えながら繰り返されていくのだなと、つくづく思いました。
Double SONS 松井