2016,09,28
“香りを聞く”
lisn(リスン)
京都にあるお香の老舗「松栄堂」が立ち上げたインセンスブランド『リスン』。
店内に一歩入ると窓から差し込む光は心地良く、スペースには和紙のライティングオブジェが広がっています。
そのオブジェを避けるように設置されたガラスカウンターには、カラフルでスタイリッシュなインセンスが150種類も並んでいるのですが、さすがそこは老舗の伝統、ハイクオリティなものばかりでうっとりしてしまいます。
すべてのインセンスには名前とストーリーなどロマンティックな言葉が添えられており、さらに自分のなかで香りのイメージが広がります。そして彩りも絶妙でまた可愛い。
お店では1本ずつ気になる香りをテイスティングしてから買うことができるので、その中から、ワクワクさせてくれるネーミングやフィーリングで香りをチョイスしてみました。
お気に入りはクラシカルな香りのインセンス。
「MELLOW MOON」
Sandalwood and apple 白檀とリンゴ
草木も鳥も眠る夜
彼女と過ごす特別な時間
淡い光を掴まえて思いを馳せる
ここに暮らすようになったのは
きっとあなたの光に惹かれたから
盃の中で彼女はそっと微笑んで消えた
美しい笑みに
気づけば頬は赤らんでいた
ストーリーは詩的でとても抽象的。
あやふやなのに胸に落ちる感覚が香りそのもののようでおもしろいのです。
リスンのインセンスは全て7cmのスティックタイプで燃焼時間はだいたい15分。
この「15分」という時間が、一日の終わりのリラクゼーションタイムにちょうどいいのです。
絶えることなく現代にも生きる「香」の文化。
ゆらゆらと揺れる煙にのせられて漂う香には、目には見えないけれど確実に感情を揺り動かすものとして、日常のワンシーンにそっと色彩をもたらしてくれるのです。
written by Double / kayoko kashiwa