2021,10,22
CINEMA HOLIC~映画をみるなら~
私の休日は、実りある時間を過ごして今日一日いい日だったなとか、
心が満たされているなとか、そんな風に感じられる時間にしたいと思っています。
さて、今回のテーマは「映画」
秋の夜長にフランス映画なんていかがでしょうか…。
私は小さいころからフランスが好きで、フランスの雰囲気に浸れる映画を観たり、
実際にパリまで行って街並みや歴史的な建物を見たり・・・
だから今回は、フランス映画を紹介します!
フランス映画ってストーリー自体大きな起承転結が見られないことが多いし、
ラストは終わったのかまだ続いているのかわからないような
はっきりさせないまま完結ってこともよくあります。
でも物憂い退廃的な雰囲気がありチャーミングで色気もあって
どこを切り取っても美しくてオシャレ!
という訳で、エリック・ロメール監督作品 恋愛喜劇3話を紹介したいと思います。
モンソーのパン屋の女の子(1962年)
『学生の”私”は、街でよく見かける美しい女性シルヴィーに恋をする友人にそそのかされその気になった”私”は思い切って声を
かけるが、その日から一切彼女の姿を見なくなってしまった
シルヴィーを探し求めて彷徨う”私”はパン屋で働く女の子と仲良くなって・・・』
本命の気になる女性か、お手軽なパン屋の女の子か、結局二人ともナンパしてしまう!という
ほんとどうでもいい話。(笑)
でもそのどうでもいい話で魅了するのがロメールらしい作品。
23分しかないすごく短い映画で、気軽に観れてロメールの描くシチュエーションが
なんともおしゃれで、憎めなくてとてもいい感じ。
パリの風景、賑やかな市場、開放的なカフェ、
石造りの建物も「古き良きパリ」的な統一感があって素敵でした
ベーカリーの素朴なサブレやタルトが美味しそうで気になる…。
シュザンヌの生き方(1963年)
『真面目な薬学部一年生のベルトランにとって、気まま見生きる悪友ギョームは憧れの対象。
そんなギョームが付き合い始めたのは、夜学に通う平凡な容姿のシュザンヌ。
彼氏に尽くすシュザンヌに憐れみを感じていたベルトランだったが、
やがて別れたシュザンヌはベルトランに接近
いろいろと世話を焼くようになる。切なく残酷な青春の一コマ・・・』
休日にはカフェでイタリア語の勉強をするシュザンヌ。
小柄で肉付きがほどよく、ショートカットが似合うパリジェンヌ。
薬学部の男二人もシュザンヌも、「美人じゃないけど色気はあるわ」と
あまりうれしくないフォローする女友達も、
互いに丁度良く見下しながら牽制してる。
軽く見られ、都合のいい女として男に見下されながらも、依存する生き方しかできない
シュザンヌの見え方が前半と後半でガラリと変わる仕掛けのラストが面白かった
コレクションする女(1967年)
『画廊のオープンを控えたアドリアンは恋人からの誘いを断り、商談のためにサントロペへ。
友人のダニエルの別荘に滞在する彼は、そこで美しい少女アイデに出会う。
コレクションするように次々と男をひっかけるアイデに、苛立ちながらも惹かれるアドリアン。
南仏の色鮮やかな風景のもと、自由奔放な少女に振り回される男たちの姿がおかしみを誘う・・・』
ロメ―ルがはじめて手掛けたカラーフィルム映画。
ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した作品で、前から気になってたから
今回見ることができてうれしい。
なんといってもアイデを演じるエデ・ポリトフが可愛らしいのです!
ショートカットで、足が長くて、小麦色に焼けた肌にグリーンのサマーニットが
とてもよく似合ってて、少女なのに色気のある体や一つ一つの仕草や笑顔に、
私はずっと目が釘付けでした。
そんな彼女を“コレクションする女”と呼ぶアドリアンとダニエル。
口では見下したようなことを言いながらも、自由奔放で自然体なアイデに惹かれ
「あわよくば自分も」と下心見え見え。
特に理屈っぽく自意識のあるアドリアンが、結局は彼女にコレクションされることもなく
恋人の元へ発とうとする姿が情けないのです。
自然の海や森や植物、光や音、空気を切り取ってるかのような色鮮やかな映像、
ロメールが表現している世界観が感じられてとても満足な作品でした。
秋に観る映画は1960年代ヌーベル・バーグ映画推し‼で間違いありません。